小魚の漣



散歩道に養魚場がある。
やまめ、ます等の小魚が仕切られた大きな水槽の中で、空気を吹き込むための水車が勢良く廻って水槽に流れを作っている中で群をなして回遊をしている。 その水層にいる小魚の種類は分からないが、 大きさははせいぜい5cm程のもの。 黒い隊列は体をひねらせる度に白い銀鱗をちらつかせる。 しばらく水しぶきの音と共にに黒い影を追っていると、突然、小魚群が流れと反対方向の水面に大きな輪をつくっていっせいに飛び上がった。 二回、三回と環を拡げて繰り返す。 終わると、また、流れに沿った回遊が始まり、また、環を作って一斉にそれも波状的に飛び上がる。
テレビなどで、養漁場の餌付けに環をなして飛び上がる光景を目にしたが、これは餌さに群がる魚群とは違う。
小魚の遊戯としか映らなかった。
しばらくしたら、環を作らなくなった。 満開の桜の木の下で魚も浮かれたのかな、と勝手な想像をしながら養魚場を後にした。

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