骨太方針
大田経済財政担当大臣の講演から
大田経済財政担当大臣は昭和29年生まれの53歳で、一橋大学社会学学部卒業後埼玉大学助教授を経て政策研究大学院大学教授から内閣府に入り、経済財政―景気判断.政策分析担当していたが、安倍内閣誕生と同時に経済財政担当大臣に就任し、安倍政権の骨太方針の策定に力を注いでいる。 著書には、「良い増税 悪い増税」「リスクの経済学」等があります。
国会開催中のことであり、今日の講演が出来るのかどうか『ひやひや』していました。
延長国会が決定し、公務員法改正案の参議院承認を目指して只今総力を挙げて審議中であります。
この法案は従来の年功序列型体系や中途採用を取り入れる体系を改革する重要法案でこの法案は5年の歳月をかけて作り上げたもので、ここで、参議院の採決がなされなければ廃案となり、また一から作り直しをしなければなりません。
天下りはお土産持参の民間転職が取り沙汰されていますが、普通の能力を超えた待遇を得た場合のことを言い、能力範囲の待遇で就職した場合は転職で天下りではない。 この法案は公務員は個別交渉による転職を禁じており、現役時代に身につけた優れた能力はそれ相応な待遇を得て転職できる仕組みとし、現役時代の能力を磨き続ける仕組みになっている。
公務員の仕事は閉ざされた社会と言われその代表的なものが、社会保険庁であってこれをオープンなものにしようとするものであります。
霞ヶ関の中の審議官のポストは普通は50歳からですが、この法案では能力を認められば40歳でも可能としたものであります。外部からの採用も役所の仕組みをオープンにすることで役所の斡旋した所へ行くことが出来る仕組みで、役所で磨いたキャリヤがその人の能力を評価になるような仕組みになっております。
今後、5年間に、公務員の定員を毎年5,7%減らしていくことが決定した中で公務員のやる気を削いではならないので、野党の言う「もっと天下り制限を厳しくしろ」と言う議論には賛成しかねる。
安倍内閣は新しい政策の枠作りとして『骨太方針』を決めている。
政府の経済財政諮問会議で纏められた「骨太方針2007」の骨子は
19日の臨時閣議で、決定した。 「人口減少という状況の中で経済成長を持続させる」決意を表明.成長力を加速させるために労働生産性の伸び率を5年間で1,5倍にする目標を打ち出した。 又、今回から正式名称を経済財政運営と構造改革に関する基本方針から「経済財政改革の基本方針」に改められた。 副題は『美しい国』へのシナリオとした。
1. 社会保障
1年以内に該当者不明の年金記録の調査完了
2. 税制改正
秋以降に消費税を含む抜本改革
税源の偏在是正(ふるさと納税など)検討
3. 地域活性化
地域版産業再生機構の創設検討
5年以内に耕作放棄地をなくす目標設定
4. 教育再生
授業時間の一割増
国立大学への運営費交付金制度の見直し
5. 行革
全独立行政法人を民営化.廃止に向け見直し
天下りの押し付け的あっせんを排除
6. グローバル化
米欧とのFTA交渉を将来的課題に設定(FTAを核とする経済連携協定EPA交渉を加速するため、現在の締結国数を3倍に増やすとともに質を向上する目的を設定。世界貿易機関WTO多角的通商交渉「ドーハ.ラウンドの年内妥結に向け取り組む方針)
大都市圏の国際空港の24時間利用を推進
7. 環境
温暖化ガス排出量半減に向け取り組み加速
サマータイムの早期実施を検討
足元の経済は2002年をボトムとして上昇し続けてきたが、現在はやや弱くなったものの景気回復は持続している。
先年までは自動車やIT関連産業が米国向け輸出を梃子に景気を引張てきたが、イザナギ景気の11,4%成長からすれば現在は2%程度で賃金の上昇までには至っていないのが現状である。 先進国の景気回復は5年サイクル程度だが、日本では2,5年で回復軌道に乗せた。
ただ、バブル崩壊以降の経済の仕組みは従来と変わってきている。 それはワールド、ワールドになったことだ。新興国のブラジル、インド、中国等の成長率は目覚しい。
日本では人口の減少が進む中で需要が伸び悩み、在庫調整に追われている。
小泉内閣で進められた改革に沿って新しい政策の枠組みを作るのが安倍内閣の課題だ。 人口の減る中での経済成長モデルは先進国でも初めてで、その骨子は
1.生産性の向上
2.オープンな経済政策
3.施設の効率化
の3つのブレンド方式を目指し、6月の経済財政諮問会議で先に述べた『骨太方針』として決定された。
現在の日本の生産性は米国の70%程度で、米国では90年後半からITの応用のおかげで急成長を成し遂げた。 特に日本のサービス産業の生産性は米国の半分ほどでその差は歴然としている。
米国のS字カーブ上昇はITの応用によるものとされ、日本のIT産業そのものとは異なる。 日本では中小企業の占める割合が多く、ITを利用する能力に欠けるのが原因とされ、これが、更に地域経済の格差に拍車をかけているものと思われる。
更に自由貿易のグローバル化や財政の健全化の問題があり、2011年までにプライマル収支の黒字化をするという困難な問題を乗り越えていかなければならない。
それには、北京オリンピックの開催が予定されている今がチャンスで2,2%の経済成長率を確保させたい。
80年台の米国は子供の世代には親の世代よりも豊かになれないと言われたが、見事に急成長を成し遂げた。 今の日本も子供の世代に豊かになれるような状態になって明るい未来があるように努力をする。
講演のあとの質問に答えて。
1. 生産性の伸び率は企業業績が上がっても賃金の上昇が見られない状態では逆に、生産性向上を押さえることにならないかとの質問に。
生産性が上がっても賃金が上がらなければ逆に生産性が上がらなければ賃金も上がらない。
2. 小泉首相と安倍首相のちがいについて。
信念の強さは同じで似ている方が、目立つ。 それぞれのキャラクターがある。
3. 金利の値上げはあるのかとの質問に対して、それは日銀の専管事項で私の答える問題ではないが、デフレが戻らないように日銀は判断していると思う
4. 今後、政治家になる考えはとの質問に対して、それは全く無い。



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