1枚の写真から
8月9日は長崎に原爆が投下された日。
元米兵の撮った原爆被害状況写真展が紹介されている。
その中の1枚の写真それは、焼け爛れた長崎の原爆投下から2週間後の原爆被害の調査に加わった若い米兵が軍の命令に反した私物の写真である。
少年は直立不動の姿勢で、背に妹であろう幼い子を帯で背負っている。
その子は90度に折れ顔は反対側まで反っている。 そのはずである。 その子は死んでいるのである。
少年の指先はそろえて両足の側面にきちっと力を入れ抑えている。
少年の目は見開いて焼け爛れた荒野(写真)の方向を見据えている。
その目に涙はない。 悲しみの頂点を越えた目には1滴の涙もない。
ただ、唇はかみ締めたままだ。
背筋をのばしたその姿勢から誰もが、皆無念さを感じないものはいないだろう。
写真を撮った青年米兵は今はいない。 その無念の思いを抱いたまま亡くなった。 アメリカの中で迫害と戦いながら。 無念さは日本人だけではなかったのだ。


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