新型インフルエンザ対策
自治医大尾身 茂教授の講演から
鳥インフルエンザは新興国で偶然発生し、年間平均一つの新しい感染症が出現していました。 豚インフルエンザに至って人獣共通の感染症とも言われるようになりました。
インフルエンザ対策としては
① 医療の確保
② 医療以外の対策
③ 社会機能 (維持の確保)
が考えられます。 1918年のスペイン風邪の発生で取られた対策の差で感染の広まりが異なった経験がありました。
米国での資料でフィラデルフィアとセントルイス地方での対策の結果表がありますが、セントルイス地方では初期段階で学校等の閉鎖を行なったがフィラデルフィア地方ではこれらの対策を取らなかった結果、セントルイス地方の数倍に及ぶ感染者のピークを作りだしました。
セントルイス地方で取られた閉鎖の場所は学校、映画館、会議場等でありました。
インフルエンザビィールスと風邪との違いは感染力の強さ、発熱と全身症状の激しさと感染力の強さが特徴で、1918年発生したインフルエンザ流行では東京府下で1300人の死亡者を出した記録があります。
1716年の江戸時代には世界的にインフルエンザが蔓延しましたが、これが丁度スペイン風邪の流行と一致しています。
それからInfluenncel(影響)といわれるようになった所以でした。
インフルエンザビィールスとは1918年以来の輪廻で発生から現在に至る系図は次のようになります。
1918年の古典的ウイルス⇒1947年アジア風邪とイタリヤ風邪に別れ⇒アジア風邪はホンコン風邪とソ連風邪にイタリア風邪は米国鳥インフルエンザに向かう⇒米国鳥インフルエンザは更にウーラシア豚インフルエンザと今回のメキシコインフルエンザに別れた。
最初の発生時期は免疫期間が小さく当時に生まれていた年齢層(60歳以上)の人は現在も免疫力があり罹病し難いといわれております。 それに比べ、現在の0歳児は全く免疫力を持っていないのでインフルエンザに罹り易い体質になっています。
今回4月24日にメキシコで発生し4月27日にステイトメントが発表され、4月30日にはフェイス5対策まで引き上げられ、5月8日に日本の成田で発見されたという経過を辿っていました。
メキシコの分析に拠ると2万3千人の人が感染し死亡率0,4%ということになっており、米国では死亡率0,1%になっています。
これは医療システムの関係で発展途上国では余ほどの重病者で無いと医療機関にはいかないし、死亡率という分母と分子の数値の問題なので正確なものではありません。
その米国では全州で感染者が1万3千人発生し、1,000人が入院し27人が死亡した。 死亡者は殆ど若い年齢層で、0~~24歳が多かったが特に5歳以下の死亡率が高かったようです。
今回のインフルエンザの特徴は
① 感染力が高い。
② 多くに感染者は軽症患者だったこと。
③ 坑ウィルス薬剤効果があったこと。
だったが、健康な若い人、基礎疾患 (喘息、糖尿病、等)のある人および妊産婦に多く死亡者が出たという問題がありました。
流行した世界の分布を見ると南北アメリカ、中国、アジア、オーストラリア及びユーロ圏で発生が見られ、南アフリカ地方のような熱帯地方では現在、発生していません。 しかし、これから秋を迎える7月頃からの発生が危惧されます。
臨床学的には次のようなデーターがあります。
患者の訴える症状 と 発生割合
38℃以上の高熱: 90% 殆どこの症状から
咳 83% 喘息等の併発
悪寒 66% 発熱を伴う
頭痛 57% 同上
関節痛 55% 節々の痛み
鼻汁 60% 涙と鼻水
吐き気 5%
下痢 6%
結膜炎 5% 涙や鼻汁と併発
年齢別罹症ピークは5才~17才年齢層で一番高くなっています。
今度取られた対策の評価としては
① 水際作戦
② 学校閉鎖
とうで、行動計画が膠原病を想定して取られましたが、マスコミ報道効果も大きいが、ただ表面的な現象だけではなく、全体像がわかるような原因等を深く考えて報道をして貰いたいと願っています。
地方自治体にあっては国の指示を待つ前に素早く対策をとるこも必要で、これも重要な蔓延防止の効果になると思います。
質問に答えて。
世界的なインフルエンザ蔓延に対して外国派遣や旅行等は控えるべきかどうかの問題は日本に居たから安全とか外国だから危険といったことは無いと思います。 医療機関も一般の人達も協力し合っ
て蔓延防止に向かうべきであろうかと思います。
4月27日の水際作戦から5月16日の国内対策にシフトした時点から、罹症患者ピークのグラフはなだらになって居ます。
感染症の危機管理は曖昧に始まり、突然気づかれるもので感染症の危機管理要点は早期把握と迅速かつ正確さが重要であると思います。
これからの課題としては、長期戦の覚悟が必要であると思います。
サーベランスとして定期的観測や学校の集団発生の際の閉鎖問題や一般の病院の医療供給体制の整備、全ての医療機関での受け入れやワクチンの製造ストックを整えべきであると思います。
今、世界中にウイルスが広まっているのだから、外国が危ないのか日本が危ないのか判らない状態であります。 従って、常識を働かし対処すべきであります。 仕事を犠牲にする必要はありません。 ある地域だけウイルスいないということは考えられません。
ウイルス自体は自分が生存し易い方向に向かって生きて行きます。 企業にとって全員が罹病しないよう一部の部署を休業するとか、分散して企業全体が操業し続けられるように考えるべきであろうかと思います。
以上


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